正社員と派遣の選択に迷ったときの見極めポイント

今の時代、働き方は多様化しており、自分に合った選択をすることが大切である。特に、正社員と派遣という選択肢は、それぞれにメリットとデメリットがある。では、どのようにして自分に適した働き方を見極めることができるのだろうか。

正社員は、一般的に安定性が高い働き方とされている。長期にわたって同じ会社で働き、昇進や昇給の機会もある。また、福利厚生が充実していることが多いため、家族を持つ人や将来に対する不安を抱える人にとっては安心感が大きい。
しかし、その反面、仕事の量が多くなる傾向があり、残業や休日出勤が発生することも少なくない。自由な時間が少なくなることは、覚悟しておく必要があるだろう。
一方で、派遣という働き方は比較的自由度が高く、多様な企業や業種で経験を積むことができる点が魅力だ。仕事内容や勤務地を選べるため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能である。また、プライベートを重視する人や、さまざまな職種を経験してスキルアップを目指す人にとっては最適な働き方ともいえる。しかし、派遣の仕事は雇用契約期間が満期を迎えると次の仕事を探さなければならないため、収入や仕事の安定性に不安を感じることがある。

自分に合った働き方を見極めるには、まず自分の価値観を明確にすることが大切である。将来のキャリアプラン、仕事とプライベートのバランス、収入の安定性など、何を最も重視するかを考えてみよう。また、自分自身の性格や得意なこと、興味のある分野も重要なポイントである。多くの人と協力して大きな成果を出すことが得意な人は、正社員としての長期的なキャリア形成が向いているだろう。一方で、柔軟性がありさまざまな職種や環境での仕事に挑戦したい人は、派遣という働き方が自分に合っていると感じるかもしれない。

発生するリスクの違い

終身雇用制度が崩れたことで、働き方に多様性が生まれている。
新卒採用により入社する人が多い正社員では、社内教育が徹底されることから入社後にスキルアップを狙えるメリットがあるだろう。しかし、配属された部署や濃い人間関係により、求めていた技術力や営業力が身に付かない可能性がある点が問題である。

派遣社員として働く際には、出向先を選べる点が魅力だ。最初からスキルアップを狙った職種を探すことが出来ることと、最長3年という出向期間に縛りがあるので、転職のタイミングを図ることが可能だ。

正社員と派遣者員はそれぞれ発生するリスクが異なる。
正社員として雇用されていれば、期間の定めが無い契約だからこそ安定した雇用が保証されている。転勤や配置転換というリスクをどう評価するかは、個人の置かれた立場により異なるので、リストラ対象となった時の配置転換には心理的なストレスがかかる可能性は否定出来ないだろう。実績給と昇給やボーナスに対する期待とのバランスを考えることが大切だ。
一方、派遣社員として働く場合には、同じ出向先には連続して3年間が上限とされているものの、出向先の都合により突然契約が打ち切りとなるリスクは存在する。スキルアップ狙いであれば、短期間で必要なスキルを身に付けることが目標であるから、雇用の不安定さを転職機会と捉えることが可能だ。
正社員と派遣では、発生するリスクの内容が異なるので、一概にどちらが良いとは言えないだろう。

正社員と派遣の転勤問題

複数の支店を持つ会社に就職すると、正社員として働く際には転勤を伴う可能性が出てくる。様々な部署を経験させることにより、幹部候補としての経験を養う意味合いもあるが、実際には会社に対する忠実度を測る尺度となっている一面もあるように感じる。
正社員に転勤をさせる際には、単身赴任を伴うケースも多く、会社側が負担する費用も住宅補助や各種手当てにより年間120万円を超えることも珍しくない。現地で採用した人に同じ仕事をさせた方が安上がりであるにも関わらず、転勤させることは会社に対する忠誠心が本当にあるのか確認している意味合いがあるといえるのではないだろうか。

派遣社員として働く際には、同じ事業所に対して最大3年間までの連続勤務が可能だが、その後は直接雇用に切り替えるか別の出向先へ移動する必要がある。
派遣社員として働くメリットの1つは、出向先を自分で選択出来る所だろう。複数の会社に登録しておけば、契約期間満了時に複数の選択肢から次の仕事先を選べる。自宅から転居する必要性も単身赴任することも無いわけだ。

正社員として働く際に、地域社員という形で募集しているケースもあるが、大きな会社ほど転勤を経験していない人は地域ごとに異なる経験を積んでいないという理由で、幹部登用機会が少なくなるようだ。将来就きたい地位やポジションが有るならば、転勤を繰り返すことも良いが、自身のスキルや技術を磨いて転職に困らない状況を作るのであれば、経験が詰める派遣社員として出向先を選別して行く方法もあるだろう。