正社員と派遣の転勤問題

複数の支店を持つ会社に就職すると、正社員として働く際には転勤を伴う可能性が出てくる。様々な部署を経験させることにより、幹部候補としての経験を養う意味合いもあるが、実際には会社に対する忠実度を測る尺度となっている一面もあるように感じる。
正社員に転勤をさせる際には、単身赴任を伴うケースも多く、会社側が負担する費用も住宅補助や各種手当てにより年間120万円を超えることも珍しくない。現地で採用した人に同じ仕事をさせた方が安上がりであるにも関わらず、転勤させることは会社に対する忠誠心が本当にあるのか確認している意味合いがあるといえるのではないだろうか。

派遣社員として働く際には、同じ事業所に対して最大3年間までの連続勤務が可能だが、その後は直接雇用に切り替えるか別の出向先へ移動する必要がある。
派遣社員として働くメリットの1つは、出向先を自分で選択出来る所だろう。複数の会社に登録しておけば、契約期間満了時に複数の選択肢から次の仕事先を選べる。自宅から転居する必要性も単身赴任することも無いわけだ。

正社員として働く際に、地域社員という形で募集しているケースもあるが、大きな会社ほど転勤を経験していない人は地域ごとに異なる経験を積んでいないという理由で、幹部登用機会が少なくなるようだ。将来就きたい地位やポジションが有るならば、転勤を繰り返すことも良いが、自身のスキルや技術を磨いて転職に困らない状況を作るのであれば、経験が詰める派遣社員として出向先を選別して行く方法もあるだろう。